Laravelのバージョンアップは1年ごとに行われています。
Laravelのすべてのリリースは、バグフィックスは18ヶ月、セキュリティフィックスは2年です。
LTS(Long Term Support) のリリースはバグフィックスが2年間、セキュリティフィックスは3年間となっています。
例 Laravel 12.x リリースノートより、サポートポリシー
https://readouble.com/laravel/12.x/ja/releases.html

継続的に成長しているサービスであれば、毎年1回更新するとよいと思います。アップグレードの方法は、該当バージョンの公式ページに記載があります。
例 12.x アップグレードガイド
https://readouble.com/laravel/12.x/ja/upgrade.html
アップグレードガイドは、アップグレード見積り時間が書いてあるので作業目安になり、とてもわかりやすく簡潔にまとまっていると思います。
アップグレード方法は、基本的にはアップグレードガイドに記載されている内容を、十分に理解しながら上から順番に対応していくだけです。もし時間がかかる対応が必要になる場合は、タスク化して後回しにして、最後まで進んでから別途作業担当者を割り当てしていきましょう。
アップグレード前に、PHPバージョンとLaravelフレームワークのバージョンを確認しましょう。
# php artisan --version
Laravel Framework 12.20.0
# php --version
PHP 8.4.8 (cli) (built: Jun 3 2025 16:29:26) (NTS gcc x86_64)
Copyright (c) The PHP Group
Built by Amazon Linux
Zend Engine v4.4.8, Copyright (c) Zend Technologies
with Zend OPcache v8.4.8, Copyright (c), by Zend Technologies
ツ社のLaravelアップグレード方針
ツ社でのLaravelアップグレード方針をまとめます。
この方針にしたがえない状況の場合は、各チームリーダーと相談してください。
1. 作業はプロジェクトに参加中のプログラマー全員で実施する
Laravelのアップグレードガイドには、該当バージョンの注意事項がたくさん書かれています。
configの書き方や、migrationの書き方が変わったことに、誰か1人でも気づかないでそのまま進めてしまうと、ソースレビュー等で時間がかかったり、思わぬバグが発生したりします。
そのため、ツ社ではプロジェクトに参加中のプログラマー全員で、画面共有しながらモブプロのように実施することにします。
2. アップグレードは1バージョンずつ完璧にする
例えば、バージョン8から10にアップグレードする場合、アップグレードガイドを連続で2つ対応することで、対応することができると思います。しかし、それではアップグレード時のトラブルに対して、問題の切り分けができない場合があります。
そのため、ツ社ではもし複数いっぺんにアップグレードする場合でも、1バージョンずつ対応して動作確認をして、きちんと動くことを確認してから、次のアップグレードを実施します。急がば回れです!もし時間が許すようでしたら、1つアップグレードしたらリリースし、問題が発生しないことが確認できたら、翌週また1つアップグレードするなど、時間をずらすことをおすすめします。
3. アップグレードは必ず提案し、見積り・請求をする
アップグレードを長年放置してしまうと、アップグレード作業はとてつもなく大きな作業になることがあります。私たちはそのことを、WordPressでもEC-CUBEでも体験してきました。ですから、毎年1回はアップグレードをお客様に提案しましょう。
Laravelのバージョンアップがだいたい春くらいですので、ツ社としては秋くらいを目安に全社で提案していく期間を設けます。できるだけ毎年1回アップグレードが対応できるようにお客様への説明をしっかりしていきましょう。
4. リリース作業はできるだけ自動化(手作業をしないように)する
Laravelのリリース作業時には、OS、PHPもバージョンアップする場合が多いと思います。サーバーに対する処理はできるだけ自動化(手作業をしないように)しましょう。Laravelのアップグレード作業であれば、こんな手順をシェルにして、ブルーグリーン・デプロイメントで対応できるといいのではないでしょうか。
- アップグレードの修正対応済みのソースコードを展開
- PHPのバージョンアップを実行
composer update
を実行- OSのバージョンアップを実行→再起動
このような手順を、手でコマンド実行するのではなく、できるだけシェルなどのファイルしましょう。そうすることで、実行時の手順を来年に受け継ぐことができたり、他のプロジェクトで使いまわしができるようにしたりして、私たちの作業時間を減らして、作業品質を高めることができます。バージョンアップ後の確認コマンドも含めてシェルにして、実行ログを保存することで、あとから作業確認をできるようにすることも忘れずに行っていきましょう。